時事評論@和の空間
こちらは右側通行です。    ※コメントおよびTBは承認後公開にしました。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 スポンサー広告 |

最高裁の判断は、図書館の公益性を重視


 「つくる会」擁護のブロガーたちはこの最高裁判決も支持ということになるのだが。


「つくる会」関係者著作の図書館蔵書処分は違法 最高裁(朝日新聞 2005年07月14日12時36分)
 市立図書館の司書が、「新しい歴史教科書をつくる会」や関係者の著作などを処分したことが違法かどうかが争われた訴訟で、最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は14日、「公立図書館は住民のほか著者にとっても公的な場で、著者には思想や意見を伝えるという法的に保護される利益がある」との初判断を示した。「職員の独断的な評価や個人的な好みで著書を廃棄することは、著者の利益を不当に損なうものだ」として、つくる会側の主張を退けた二審・東京高裁判決を破棄。審理を同高裁に差し戻した。


 第一小法廷は、著者の思想の自由や表現の自由が憲法で保障された基本的人権であることを重視。「著者が意見などを伝える利益は、法的保護に値する人格的利益だ」と位置づけ、「図書の廃棄は著者の人格的利益を侵害し、違法」と結論づけた。


 問題となったのは、千葉県船橋市立西図書館の女性司書が01年8月、同館の除籍基準に該当しないにもかかわらず、つくる会や同会関係者の著書30冊を含む計107冊を廃棄したこと。「教科書が教えない歴史1」などが廃棄された。


 これに対し、同会と井沢元彦氏ら著者7人(うち1人は死去)が「表現の自由などの権利を侵害された」などとして、市と司書を相手に計2400万円の損害賠償を求めていた。原告の著書以外で廃棄されたのは、西部邁氏の著書43冊と渡部昇一氏の著書25冊など。


 一審・東京地裁は「司書が個人的な好き嫌いの判断で大量の蔵書を廃棄したのは、本を所有する市に対する違法行為だが、著者との関係で違法となることはない」「蔵書をどう扱うかは原則として市の自由裁量」などとして原告の請求を棄却。二審・東京高裁も「購入された書籍の閲覧方法などに不適切な点があっても、著者の法的な権利や利益に侵害があったとは言えない」として控訴を棄却していた。


 つくる会は97年、従軍慰安婦問題を取り上げている教科書などを「自虐的」だと批判し、独自の歴史教科書をつくって中学校に広げる目的で学者らが設立した。
 こういうことになると朝日は詳しく書きたくなるようだ。まあ、事情がよくわかるという意味では良い報道だとしておこう。(笑)




 今回は新聞批判はさておき、最初にソースの探し方について解説してみたい。この最高裁の判断を詳しく知りたいと思ったらどうするか。最高裁判例集を探してみることだろう。まずは「検索ページ」に移る。今回の場合は、裁判年月日と法廷・裁判種別がわかる、平成17年7月14日と入力し、第一小法廷にチェックを入れて、[検索実行]をクリックする。するといくつか判例が出てくるから、それらを開いていくと、


判例 平成17年07月14日 第一小法廷判決 平成16(受)930 損害賠償請求事件


が見つかるはずである。


 この判決文によると、
 平成13年8月10日から同月26日にかけて,当時船橋市西図書館に司書として勤務していた職員(以下「本件司書」という。)が,上告人A会やこれに賛同する者等及びその著書に対する否定的評価と反感から,その独断で,同図書館の蔵書のうち上告人らの執筆又は編集に係る書籍を含む合計107冊(この中には上告人A会の賛同者以外の著書も含まれている。)を,他の職員に指示して手元に集めた上,本件除籍基準に定められた「除籍対象資料」に該当しないにもかかわらず,コンピューターの蔵書リストから除籍する処理をして廃棄した(以下,これを「本件廃棄」という。)。
 「つくる会」の本だけではないようだが、107冊も勝手に破棄するとはひどいものだ。どうして地方公共団体がこういう情報統制をするのか。まるで中国みたいじゃないか。


 必要な情報を手軽に調べられるという図書館の公益性は、ぜひとも守られねばならない。とくに、当時は「つくる会」の教科書が読まれもせずに一方的な非難を浴びていた頃であり、まさにこの時期において情報が公開されるべきであった。それは公益であると同時に、著者にとっては理不尽な非難に対する弁明の意味ももっていた。だが、公共に携わる図書館司書が妨害工作をすることで、その時期に著者らは弁明の機会を奪われた。著者らにとっては非常に大きな苦痛を与えるものだっただろう。
 本件は,上告人らが,本件廃棄によって著作者としての人格的利益等を侵害されて精神的苦痛を受けた旨主張し,被上告人に対し,国家賠償法1条1項又は民法715条に基づき,慰謝料の支払を求めるものである。
 著書は、著者が自らの思想を表明することによって自らの人格を表現したものである。これが図書館に購入されなかったからといって精神的苦痛を受けたというのなら問題外としてもよいだろうが、本件の場合は、すでに蔵書されているものを除籍ルールに則らずに勝手に破棄されたのであり、地方公共団体が不当な差別的圧力をかけたといっても過言ではない。不当な差別的圧力によって広く弁明する機会を奪われたのだから、彼らが船橋市を訴えるのも正当である。


 だが原審では、当時の事情を考慮せずに一般的な論理を述べるにとどまった。
 著作者は,自らの著作物を図書館が購入することを法的に請求することができる地位にあるとは解されないし,その著作物が図書館に購入された場合でも,当該図書館に対し,これを閲覧に供する方法について,著作権又は著作者人格権等の侵害を伴う場合は格別,それ以外には,法律上何らかの具体的な請求ができる地位に立つまでの関係には至らないと解される。したがって,被上告人の図書館に収蔵され閲覧に供されている書籍の著作者は,被上告人に対し,その著作物が図書館に収蔵され閲覧に供されることにつき,何ら法的な権利利益を有するものではない。そうすると,本件廃棄によって上告人らの権利利益が侵害されたことを前提とする上告人らの主張は,採用することができない。
 一方、最高裁の判断では、まず図書館の公益性という点から原審の判断を是認しない。
 公立図書館は,住民に対して思想,意見その他の種々の情報を含む図書館資料を提供してその教養を高めること等を目的とする公的な場ということができる。そして,公立図書館の図書館職員は,公立図書館が上記のような役割を果たせるように,独断的な評価や個人的な好みにとらわれることなく,公正に図書館資料を取り扱うべき職務上の義務を負うものというべきであり,閲覧に供されている図書について,独断的な評価や個人的な好みによってこれを廃棄することは,図書館職員としての基本的な職務上の義務に反するものといわなければならない。
 さらに、これに関連させて著作者の利益に言及する。
 公立図書館が,上記のとおり,住民に図書館資料を提供するための公的な場であるということは,そこで閲覧に供された図書の著作者にとって,その思想,意見等を公衆に伝達する公的な場でもあるということができる。したがって,公立図書館の図書館職員が閲覧に供されている図書を著作者の思想や信条を理由とするなど不公正な取扱いによって廃棄することは,当該著作者が著作物によってその思想,意見等を公衆に伝達する利益を不当に損なうものといわなければならない。そして,著作者の思想の自由,表現の自由が憲法により保障された基本的人権であることにもかんがみると,公立図書館において,その著作物が閲覧に供されている著作者が有する上記利益は,法的保護に値する人格的利益であると解するのが相当であり,公立図書館の図書館職員である公務員が,図書の廃棄について,基本的な職務上の義務に反し,著作者又は著作物に対する独断的な評価や個人的な好みによって不公正な取扱いをしたときは,当該図書の著作者の上記人格的利益を侵害するものとして国家賠償法上違法となるというべきである。


 今回の判決文は比較的わかりやすかった。報道が歪曲されている可能性があると普段から主張している私としては、多くの人々にソースの確認を勧めざるを得ない。ほんとうは、新聞がWeb上ではソースへのリンクをする必要があると思うのだが、速報という意味ではまだ判決文がUPされていない場合もあるのだろう。だが、社説などであらためて議論する場合には、ソースを提示すべきである。そうすることによって、新聞各社とも事実を無視した社説は書けなくなるだろう。








人気blogランキング
↑この記事がおもしろかった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。


勝手にサポート 教科書再生!電脳教科書補完録(「つくる会を勝手にサポートする国民ネット」)


中学社会 新しい歴史教科書 (平成14~17年度 使用版)←「つくる会」の教科書の一部が読めます。






なお、2005年7月11日より前の時事評論は、「p(^o^) 和の空間」を御覧ください。


スポンサーサイト
【2005/07/14 23:31】 法律 | トラックバック(1) | コメント(2) |

コメント

「つくる会」の本を廃棄した司書とその上司は減給処分されたみたいですが、減給などと甘い処分じゃなく即刻解雇するべきですね。

【2005/07/15 10:44】 URL | おやじ #-[ 編集]
私のブログにも感想を書いたのですが。資格を取り、それでも司書になれなかった私には、「司書」がこのような事をする事自体、許し難い。 公益や公共サービスという「基本理念」を持たない者はプロではない。常に自分の職務に対し、向上心のある人にこそ「専門職」で頑張って欲しいですね。
【2005/07/18 01:07】 URL | よんぴ #-[ 編集]

コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

「西尾幹二のインターネット日録」管理人「年上の長谷川」さま。

※下記は標記宛てメールとして送信する予定だったものです。が、私の不徳の致すところ 図書館員の愛弟子【2005/09/06 11:43】

PROFILE

桜井 和空
人気blogランキング
 ↑応援よろしく!
 
女系天皇に断固反対!
〔無料メルマガ『皇位継承Q&A』読者登録解除フォーム〕
メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。
登録フォーム
解除フォーム
バックナンバー
まぐまぐ
  • Author:桜井 和空
  • RSS1.0
  • MAIL

    10 | 2017/11 | 12
    S M T W T F S
    - - - 1 2 3 4
    5 6 7 8 9 10 11
    12 13 14 15 16 17 18
    19 20 21 22 23 24 25
    26 27 28 29 30 - -

    RECENT ENTRIES

    RECENT COMMENTS

  • 大和(01/03)
  • 大和(12/24)
  • (12/05)
  • 山本さゆり(11/27)
  • RECENT TRACKBACKS

    ARCHIVES

    CATEGORY

    いろいろプラグイン

    心に残る名言集


    LINKS

    LINKS (2)

    外国人参政権付与法案に反対
     
    人権擁護法案反対同盟
     
    Takeshima in JAPAN
    Takeshima (dokdo, dokto, tokdo, tokto) is Japanese Territory(島根県「竹島」の英文頁です)
     
    不法滞在のメール通報制度
     
    勝手にサポート 教科書再生!
     
    人気blogランキング
     

    ↑こちらへ登録すると自分の記事を評価してもらえます。
     

    SEARCH

    BOOKS


     

     

     

     

     

     

     

    ACCESS

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。