時事評論@和の空間
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たまたま国会中継を見た

 昼頃、何気なくテレビのチャンネルを変えたら菅直人が発言していたので、見てみることにした。

 まあ、呆れた物言いだね。沖縄の集団自決が“軍の強制”によるのかどうかで今回の教科書検定をほじくり返していた。でも、結局は教科書検定そのものを問うているのではなく、菅直人は安倍首相が“右翼”だと証明したかっただけ、としか見えなかった。まあ、もっと先読みをすれば、軍国主義の安倍内閣は危険だから即刻退陣すべきだという方向にもっていきたかったのである。すべてはこの路線に相手を乗せてしまうために相手の感情を刺激していくというレトリックを使った討論であった。それが“野党の政治活動”なんだという見方もできるので、冷やかに見ていくことにしたい。(笑)

 安倍首相も言い返すのがうまくなったので、テレビの前で思わず拍手をしてしまった場面も何回かあった。政治にエンターテイメント性をもたせる必要があるのかどうか知らないが、眠たくなるような国会中継よりは見ていようという気になる。歴史問題はもう議論の結末が見えているテーマなので、せいぜい切り返しの面白さで安倍内閣の支持率をあげる貢献でもしてもらいたいくらいだ。私は野党の硬直した歴史認識には飽き飽きしているのだから。

 安倍首相が個人的にどのような思想をもっていようと、どのような思想の人と会っていようと、それと教科書検定の問題は別である。安倍首相は歴史認識に関して自らの信念を明らかにはしなかったが、その曖昧戦術は、昔の自民党のような不透明で把握できない灰色の曖昧さではなくて、ポーカーフェイスのようにまったく掴み所のない真っ白な曖昧さと言えるかもしれない。もともとが白黒付けられない歴史観・価値観の問題だから、うまく立ち回ることこそ最善なのではないかと思う。どっちかに転がっても反対者はいなくならないし、善悪を最終決定できないのだから、むしろころころ転がっていくうちに歴史的真実が明らかになってしまうくらいのほうがいいのかもしれない。

 菅直人の論理のずらしは意図的なのか、それとも論理的な頭がないからやっているのか知らないが、論理的一貫性のためではなくて自分の主張のために発言しているとしか思えない。最初は“軍の強制”が問題だったはずなのに、いつのまにか“軍の関与”に話がすり変わっている。両者はまったく別物だ。関与がすべていけないというのなら、たとえば災害救助のために出動した自衛隊が現場で住民に少しでも指示したら、自衛隊の強制があったことになってしまう。そして、野党はそういう“強制”を権利侵害として非難するのが仕事なのだ。自衛隊と国民の間には直接の支配・被支配の関係はないが、災害救助などの大きな目的のなかでは、少なくとも後者は前者の邪魔をしないように心がけるのが常識だろう。歴史的な思想状況から見て、当時の沖縄人の中では集団自決が、共に闘ってきた軍隊に対する彼らなりの結論だったのかもしれない。

 菅直人は、手榴弾が住民の手に渡っていたから軍の“関与”があったと言っていたが、それは住民と軍が無関係ではなかったというだけの話である。そんなことを言うなら、その手榴弾を実際に作ったのは軍人ではなくて国民自身だったのだということを忘れてはならない。軍人は指導・監督したかもしれないが、実際に作ったのは軍需産業で働いた一般庶民である。善良なる戦前の日本人が平和主義の観点から軍需物資を一切作らなかったら、沖縄の人々が手榴弾で集団自決することはなかっただろう。ただし、現在この日本国は存在しなくなっていたことだろう。あの当時は、平和主義を貫くためには逮捕され、あるいは獄死するしかなかったかもしれない。だが、ほとんどすべての日本人は、その道をとらずに戦争に加担したし、そうせざるを得ない国際状況だった。私は彼ら一般国民が戦争への道を歩んだことを責めることはできない。

 菅直人は、「軍に強制されなければ沖縄人の集団自決はあり得なかった」という考えを持っているのかもしれない。しかし、将来を悲観した人が一家心中するという事件は、日本から正式の軍隊がなくなって数十年たっても依然として存在していた。一族の自決というのは日本人の習性なのである。だから、悲観せざるを得ない状況に戦時中の沖縄人が追い詰められたこと自体が問題なのであって、軍の強制は(あったかどうか知らないが)二次的である。民間人だって米軍の機銃掃射の対象になったのである。自分たちの土地を捨てるわけにはいかないと思って残った人々にとっては、集団自決は必然だったのかもしれない。まあ、米軍に沖縄を占領されて帰る場所を失ってしまったら、彼ら沖縄人は生きていけないと考えたかもしれない。沖縄から退去しても死、日本軍と共に戦っても死、一人で逃げ回っても死、だったら集団自決。こういう結論は十分に考えられる。それを“軍の強制”で一括りにする歴史認識は大問題である。

 だが、戦前の軍隊は必ずしも賛美できるものでもない。軍人にとってみたら、戦争に負けたこと自体が、いや本土への攻撃を許してしまったこと自体が万死に値するほどの罪であり恥なのだから。しかし、彼らはやれることだけはやった。身を捨てて特攻までやった。だから、彼らを一方的に責めるわけにもいかない。また、不本意な死をとげた兵士たちに関しては、時代に翻弄された悲しい運命として彼らに追悼の念を捧げるしかあるまい。

 あまり一方的に日本軍を責めるだけでは問題なので、少しばかり彼らを評価すべき面をあげておこう。

 昨日のテレビ「アンビリバボー」で、戦艦が撃沈されて漂流していたイギリス兵422名を救助した駆逐艦いかずちの工藤艦長の話をやっていた。なかなか見上げた武士道だ。ここをもって日本の海軍将校がすべてこうだったとは言えないし、そういう武士道精神があったからこそ敵国の卑怯な戦術によって負けたという面もあるが、そういう人々もいたのだという点を無視するわけにはいかないだろう。

 戦前には鬼畜米英というスローガンがあったが、菅直人は鬼畜日本軍という発想に囚われているのではあるまいか。これではマインドコントロールされた戦前の日本人の頭とたいして変わりはない。だが、現代人の頭はもっと柔軟なのだ。一括りにできない歴史の真実を受け容れるだけの知性をもっているのだ。もしわざとこの単純な図式を政治的に利用しているだけならば、歴史を政治の道具にしないでほしい。まあ、民主党はブーメランを投げるのがお得意なようなので、やがて歴史から民主党に対して手痛いしっぺ返しが来ることになるだろうが。調子にのっていると、歴史の力が民主党を壊滅させることになるぞ。(^皿^)

 
 
 
 
 
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【2007/04/20 22:58】 政治 | トラックバック(0) | コメント(0) |

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