時事評論@和の空間
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長野の聖火リレーは成功?

 私はテレビとネットでを見て回っていただけなので、現場が実際にどうだったのかは知らないが、私の予想よりも小競り合いが激しかったように思える。おとなしい日本人もだんだんと世界標準に近づいてきているのだろうか?

 

 まずは全体的な記事から。

歓声と怒号、市民不在=卵投げつけ、乱入…-混乱の中、聖火リレー・長野

(4月26日14時1分配信 時事通信)

 投げつけられる卵、立ち止まるランナー、乱入する男-。長野市で行われた北京五輪の聖火リレーは、妨害行為が相次いだ。沿道は中国国旗とチベットの旗で埋め尽くされ、平和の祭典を象徴するイベントは「市民不在」で進んだ。
 
 午前8時24分、小雨がぱらつく中、県勤労者福祉センター跡地の出発式で聖火が点火された。第一走者の野球日本代表監督の星野仙一さん(61)が右手にトーチを掲げ、2列の警察官に囲まれてスタートした。
 
 「中国、加油(中国、頑張れ)」。大きな中国国旗を振り、声援を送る中国人の集団。「星野、頑張れ」という日本人の観客の声はかき消された。
 
 善光寺近くのコース沿道は、中国人留学生やチベット支援者であふれ返った。中国国旗とチベットの旗の数はほぼ同数。「フリーチベット(チベットに自由を)」「ワンチャイナ(中国は1つ)」。双方が大声で叫ぶ。リレー走者が近づくと、歓声と怒号が入り交じり、歩道から車道に乗り出さんばかりに。
 
 国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」のロベール・メナール事務局長(55)は五輪のマークを手錠に模した横断幕を無言で掲げた。
 
 JR長野駅前では、タレントの萩本欽一さん(66)の走行中、紙束が投げ込まれた。並走する警察官が盾を構える。別の路上では卓球女子の福原愛さん(19)の前に男が飛び出した。立ち止まる福原さん。男はその場で逮捕された。午前10時25分、ランナーとなった崔天凱駐日中国大使が休憩地点のエムウエーブで、トーチを高く掲げた。
 
 その後も、男が聖火の列に向かって卵を投げつけ、逮捕された。トマトを投げ付けた男ら2人も現行犯逮捕された。 
 

 まず、何よりも異様に感じたのが、かの赤い旗(五星紅旗)の多さと中国人の連呼の声である。

 
長野聖火リレー スタート地点での騒動 Relay in Nagano

 赤い旗で沿道が埋めつくされたという感じだが、チベット支援者はむしろ沿道からやや遠ざけられたみたいである。警備側の指示によってゴール地点にはチベットの旗をもった集団は入れず、中国人だけが入れたという。また、警備は中国人には甘く、日本人には厳しかったという。これはチベット支援者側の言い分だが、私は少し違った見方をしている。

 催されているのはオリンピック行事の一部であり、 あ れ で も 中国人は聖火リレーを応援しに来ている。それに対してチベット支援者は、“この”オリンピック行事そのものとは直接には関係がない抗議行動をしている。となれば、中国人応援団が優先されるのは筋だろう。警備は聖火リレーを成功させるためにやっているのだから。警察までが中国の犬になりさがったかというのは少し違う。純粋に応援しようという日本人ならば差別されなかっただろうと想像される。

 ちなみに、マスコミが中国の顔色を伺って「沿道は大歓迎ムード」と書くならば、後日、こんな抗議活動もあったと検証報道をするのが筋だろう。警備側は抗議集団を隔離して盛んに「ご理解ください」と繰り返していたそうだが、せめてマスコミがこのような事実を明らかにしていかなければ、抗議する側は理解もできないだろうし、非暴力的なやり方の抗議活動が一般人の目に触れないように隠蔽され続けば、いずれ暴動にも発展するだろう。

 ただ、中国人の応援のしかたも異様である。まず、「日本の五輪代表選手などが走っているのに「中国加油(中国がんばれ)」はないだろう。自分たちのことしか考えていない自己チュー国の人々ということが露呈された応援である。彼らがあれだけ大きな中国の国旗をたくさん掲げているにもかかわらず五輪旗をほとんど全く掲げていなかったという点が、まさしく彼らの五輪軽視を象徴している。何を集結したのか。ただ自分たちの国威発揚のためだけだったのではないか。やはり「五輪よりも中国」という意識が彼らには強かったのではないかと思われる。

 そんな彼らに日本の旗を振って日本選手を歓迎しろと要求するのは無理な話だろうが、それにしても会場に日本の旗がほとんど見られなかったというのはどういうことか!

(^o^)ノ ハーイ。日教組の「日の丸」敵視教育の成果で~す。

 ま、それはさておき、ゴール地点で抗議したかった人々はむしろ五輪旗を掲げていけば隔離されなかったのではなかろうか。しっかり場所を確保したあとで「フリーチベット!」と叫べばよかったかもね。(^^ゞ 対立することばかりを考えているから、そういうことになる。うまく建前に沿った動きをとりながら決定的なところで主張するという戦術も学ばないと。

 また、政治的メッセージを備えた動画がYouTubeやニコニコ動画から削除されたのが民主主義的ではないという意見もあるが、この削除理由は放送局からの依頼であり、いわば著作権問題だと思われる。とくに公平中立を求められているテレビ局は、一方の主張しか前面に押し出さない使われ方をされると困るのだろう。(もっとも、映像使用は評論のための引用範囲内だと言えないこともない。) そういう問題があるのならば、自らの主張を貫くためには自ら取材した自前の画像・映像を使うべきだし、そういうものを著作権フリーとしてどんどんネット上にUPすべきではないかと思う。いつまでも他人のフンドシで相撲をとっているわけにはいかない。これからのネット活動の課題である。

 結局は、聖火リレーという催し物それ自体は、そんなに盛り上がらなかったのだろうと思う。もし中国人が集結しなければ、「そんな事あったの?」というくらい閑散としたものだったかもしれない。日の丸も五輪旗もほとんど見られなかっただろう。長野市民は、しっかりと旗を準備していたのだろうか? たぶん何の準備もしていなかっただろう。逆の意味で、つまり五輪とは関係ない政治対立で聖火リレーは盛り上がった。ま、これはこれで興味深い出来事だったと言える。

 
 
- ◆ -

 
 

 さて、私が注目したいのは、むしろ善光寺の法要である。これが最も日本らしい行為である。

 《本当に日本なのか? - 長野プチ・レポート(どうする日本! 2008年4月26日)》は、善光寺での法要を簡単にレポート。そして、下の動画は、僧侶の言葉が身に沁みます。

The torch relay will begin! At the time of Zenkouji
 
 

 新聞にもこんな報道が。

 
善光寺でチベット暴動の追悼法要、国境なき記者団も抗議活動

(2008年4月26日11時33分 読売新聞)

 聖火リレーの出発式会場を辞退した善光寺では26日午前8時15分から、在日チベット人約20人と、支援団体のメンバー、僧侶らが今年3月以降にチベット自治区・ラサなどで発生した暴動で亡くなった人への追悼法要を行った。
 
 善光寺は今月18日、「同じ仏教徒として、チベットの宗教者に対する弾圧を憂慮している」などとして、出発地点を返上。法要は「世界平和を考える機会に」と同寺も協力し行われた。
 
 法要に先立つ午前7時半、「SFT(チベット自由のための学生たち)日本」代表のツェリン・ドルジェさん(34)らが本堂前で、ダライ・ラマ14世が作った「無量の徳」を読経。出発式の時刻に合わせて本堂内で、「平和を願う僧侶の会」の会員たちが犠牲者の名前を読み上げ、ツェリンさんらと冥福(めいふく)を祈った。
 
 善光寺には午前6時前から、チベットの旗やプラカードを持った団体が集まったが混乱はなく、善光寺の事務局は「滞りなく法要も済ますことができ、安心した」とコメントした。
 
 善光寺三門(山門)前の参道では26日午前7時34分から、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部・パリ)のロベール・メナール事務局長(55)らが約15分間座り込みをした。リレーコースの「大門」交差点には聖火の通過後移動し、手錠をかたどった旗を掲げ、抗議のデモを行った。
 
 その後、JR長野駅構内に移動した午前10時12分ごろ、記者団メンバー数人と中国人の団体が小競り合いとなった。中国人のメンバーは、記者団が広げていた旗の上に畳2~3枚ほどの大きさの中国の旗を数枚覆い、2~3分間、「ワン・チャイナ」と連呼した。
 
 メナール事務局長は「大きなことではない。中国の人も、自分の考えを表現できているということはいいことだ」と淡々と話した。
 

 さてさて、問題を起こすかもしれなかった“国境なき記者団”だが、意外とおとなしく抗議をしてくれた。上記のごとく日本でいちばん発行部数の多い新聞にも掲載されたわけだから、抗議は十分に成功だろう。私としては、以下のような評価をしてくれたのがいちばん嬉しい。彼らは、日本がいかに民主主義的で多様な意見に開かれているかを世界に宣伝してくれたわけだ。

 
日本当局の対応を評価=「国境なき記者団」事務局長-五輪聖火リレー

(時事通信 2008/04/26-23:49)

 長野市で26日に行われた北京五輪の聖火リレーに合わせ、中国政府のチベット弾圧に対する抗議行動を行った国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部・パリ)のメナール事務局長は同日、リレーが「他の民主主義国家よりもはるかに成功を収めた」と述べ、日本当局の対応を高く評価した。AFP通信に語った。
 
 同事務局長は「ここでは良好な雰囲気の中、チベットの旗を振るチベット人と赤い旗を持った中国人が隣り合っているのを見ることができた」と強調。リレーでは妨害行為が相次ぎ、逮捕者やけが人も出たが、同事務局長は中国の若者が自由に自己表現できる「開かれた民主主義」を目の当たりにできたとの認識を示した。
 

 このような民主主義は、やはり当局(authorities)によっても支えられていたと言える。両勢力が暴行に及びそうになると積極的に両者の間に割って入り、両者を引き離していた。民主主義は、多様な意見の勢力を秩序内に収めるための権威(authority)が必要である。権威が過剰な権力に変貌する前に、日本人はある程度“わきまえ”をもった行動をとるだけの国民性をもっている言える。

 
長野県警に意見147件=「聖火見えない」「うるさい」

(時事通信 2008/04/26-20:26)

 長野市で26日行われた北京五輪の聖火リレーで、長野県警には同日、警備に関する意見や激励が147件寄せられた。「よくやった」と警備を称賛する声がある一方で、「中国の旗で聖火が見えない」などの苦情もあったという。
 
 県警が同日午前零時から午後1時半までの間、電話やメールで寄せられた意見を集計した。
 
 147件のうち多かったのは、沿道の中国人らに関する苦情で、「うるさい」「旗が大きくて聖火が見えない」など。
 
 厳重警備で聖火が見えないとの苦情はなく、「伴走警察官がすぐ対応した」「現場の警察官はよくやった」との称賛が3件あったという。
 

 日本人が聖火をもって走って、日本人が声援を送りたいのに、まわりの見物人のことも考えずにデカイ旗を振り回して、まったくハタ迷惑なんだよね。┐(´д`)┌ ヤレヤレ

 
 
 
- ◆ -

 
 

 中国人がもっと静かにやってくれればチベット支援者ももう少し静かにやっただろうにと思うのだが・・・。しかし、 あ れ で も 彼らにもある程度のセルフコントロールはあったのだろうと思う。

 
聖火リレー:集まった中国人5千人…黄色の腕章は統制役

毎日新聞 2008年4月27日 2時30分
(最終更新 4月27日 2時30分)

 聖火リレーの沿道を埋めた在日中国人は「全日本中国留学生学友会」や社会人を含め、5000人以上が集結した模様だ。事前の打ち合わせには大使館員が同席し「安全、文明、平和」を基本に活動するよう要請されたといい、チベット支援グループとの小競り合いが一部であったものの、暴力的行動に結びつかないよう統制がとられた。5月6日からの胡錦濤国家主席の訪日を控えて対日関係の悪化を避けたい中国当局の意向も反映しているとみられる。
 
 西日本の留学生約700人は、華僑団体から贈られた白いTシャツ姿でリレーの終着点を囲んだ。黄色い腕章をつけて参加者を統制していた「岡山県中国人留学生学友会」の王雪松会長(26)は「チベット支援グループと相対しても、興奮の気持ちを抑えられるように統制役を決めた。中国大使館や大阪の総領事館からも『何かあれば日本の警察に任せるように』と指導された」と説明。リレー終了後に行ったごみ拾いは「長野の人たちへの感謝の気持ちを示すため」と強調した。
 
 全日本学友会の役員は豪キャンベラでの聖火リレーで「中国当局が動員をかけた」との報道は長野のケースでは当たらないと指摘した。【成沢健一】
 

 彼ら自身もセルフコントロールしていたのだし、それさえもきかなくなったら日本の警察のコントロール下に入るというつもりだったのだろう。(つもりだけで、実際はどうかわかったものではないが。) 彼らのセルフコントロールされた行動規範も、たとえば自動車の窓から大きな旗を出して走行するなどという違法行為もあったようだから少しばかり疑問符もつくが、集団が全体としてコントロールがきいている状態こそが民主主義を維持するための不可欠の条件であると言える。

これっていいの?

 諸外国に比べて日本は当局が甘くなりすぎているわけだが、“分をわきまえる”態度を保持しているからこそ、それでも民主主義が高度に保たれている。自己主張だけして分をわきまえないのでは、決して民主主義を高度なまま保てない。無制限に自己主張して良しと考えるのは、民主主義のはき違えと言える。民主主義の先進国と思われているヨーロッパ諸国は、個人の発言の自由だけを民主主義の成立根拠と考え、思想的にはその範囲でしか議論していないのだろうし、それを先進政治思想として受け売りする“民主的 ”政党や“民主主義 ”教育が跋扈しているわけだが、もっと根本に立ち返って哲学的に検討されなければならない。

 ところで、当局は不正義であるという考えは一理ある。今回の聖火リレーでも、おそらくは中国人の数が警備側の管理能力の限界を越えているので、むしろ抗議する側をコントロールして暴動に発展しないようにしたというのは、あり得ることだ。これは正義ではないかもしれないが、デモクラシーすなわち“多数者の支配”の結果でもある。したがって注意したいのは、立場が違いすぎる余所者を入れすぎて多数者にしてはならないということである。当局は必ずしも正義ではなく、平安な秩序を守るためにはどちらにも転がる。民主主義を根本から支えるためには、そのような力関係まで考慮に入れなければならない。また、少数者になった正義を守るためにジャーナリズムは必要でもある。しかも言葉によって煽動するのでなく、冷静に筋立てて説得していくことが必要である。言いたい放題が言論の自由だとしか考えないジャーナリズムは、民主主義の果実を貪っているだけであって、民主主義には貢献していない。

 「中国人は何様だと思っているんだ!」という批判は多い。これはまさしく行動規範の違いに起因する。日本にいるかぎり日本の行動規範に従ってもらわねばならない。それが最もよく在日外国人が日本人に受け容れられる道である。行動規範が共有されていればこそ平穏な日本の社会を享受できる。もし日本の行動規範を拒否するならば、その外国人が拒否されるのは当然だろう。犯罪者が国外退去を命ぜられたりするように、日本の社会ルールを軽視する外国人が嫌われるのは当然である。外国人差別とかそういう問題ではない。日本人だって社会ルールを守らない人間は嫌われるのだし、日本によくなじむ外国人を日本人は歓迎する傾向にある。

 ちなみに、ごみ拾いは「長野の人たちへの感謝の気持ちを示すため」というより当たり前にすべき行為である。ま、日本人もこういうルールが守れない人間が増えてしまったのは非常に残念だし、中国人を批判できるのかと反省すると、困ってしまうが。

 

 ところで、某SNSの日記には、

留学生2000人は600人に下方修正になったそうです。(外国人登録証の携帯だかで仲間割れしてるそうですw)
という記述があった。ま、信憑性がどれだけあるのか分からないが、中国人留学生と称して不法滞在しているヤツらが沢山いるということだろう。留学生として自浄努力をしている点は評価したい。マジメに勉強しに日本へ留学している人々が、一部の不心得者によって評判を落とされるのは可哀相である。

 また、こんな日記もあった。

 事前の噂話に聞いていたほどには、中国応援団の方は傍若無人ではないと思いました。一対一で接したら、親しい友達にすらなれる人もいるのではという気がしました。激昂してつかみかからんばかりの中国の男を必死で制止している中国の女性も見ました。
 
 東口では乱闘が起こってしまいました。でも、日本側の参加者の中に一部、モラルの低い人がいたことは残念でした。「火」そのものや、「MEN IN BLUE」に向かってそれを言うなら主張としていいとしても、中国応援団に向かって「帰れ!帰れ!」と罵声を浴びせるのは、違うと思うし、挑発と受け取られたとしてもおかしくないと思う。
 
 そもそも、せっかく日本にまで来ている中国の人は、日本の主張を中華本国に伝えてくれる可能性を持つ人達なのだから、問答無用に帰れといったのでは、「日本人に排斥された。日本はひどい国だ。」という反感だけが残るだけで、何もいいことはないと思う。
 
 あと、帰宅後テレビで見たところ、今回、漢民族の方で中国政府の人権弾圧行為に反対している勇士がいて、当初日本人に混じってフリーチベットと叫んでいたところ、アンタ中国人なのになんでここにいるの?と言われたとのこと。見識の狭い日本人もいるものだなと思った。
漢民族でチベット支持者がいたというのも珍しいことだと思うが、日本人も中国人もいろいろなのだと思う。実際は、立場や国籍によって一括りに評価することはできない。

 
 
 
- ◆ -

 
 

 小競り合いや多少の暴力的事件はあったものの、全体として暴動に発展することはなかった。逮捕者も何人か出たが、じつに残念なことである。口頭による騒々しい抗議はいいとしても行事の進行を妨害するのはちょっと問題があるように思う。ただし、愛ちゃんの前に現われた男は例外である。

 彼は、台湾籍のチベット人2世だそうだ。この行為は進路妨害を第一の目的としたものではなく、チベットの惨状を世界に訴えるために、とにかくテレビに映ることを目的とした行為であったと言える。

「フリーチベット」の叫び届かず亡命2世、泣きながら乱入

(イザ 2008年4月26日 13:46)

 何のための、だれのための「平和の炎」なのか。26日、3000人規模の厳戒態勢の中で行われた北京五輪の聖火リレー。沿道を埋め尽くす真っ赤な中国国旗と、時折揺れるチベットの雪山獅子旗。出発式会場に一般客は入れず、平和の祭典を象徴するイベントは「市民不在」で進んだ。「チベットに自由を」「ゴーゴーチャイナ!」。チベット問題を訴えるプラカードも掲げられ、タレントの萩本欽一さんや卓球の福原愛さんが走行中には男が取り押さえられる場面もあった。善光寺で知られる仏都・長野市は終日騒然とした空気に包まれた。(林英樹、永原慎吾)
 
 ハプニングは突然起きた。JR長野駅や善光寺周辺と比べて、比較的観客の数が少ないコース中ごろの沿道。「フリーチベット!」。チベットの旗を握りしめた男がロープをまたいで車道へ飛び出し、聖火ランナーの列に飛び込んだ。警官隊に取り押さえられ、地面に顔を押さえつけられながらも、「フリーチベット」の泣き叫ぶような声は消えない。
 
 男は、台湾に住む亡命チベット人2世の古物商、タシィ・ツゥリンさん(38)。「私はオリンピックに反対しているわけではない。ただ、チベットの惨状を全世界に訴える絶好の機会だと思っている」。この日朝、沿道の別の場所でチベットの旗を広げていたタシィさんは記者にそう話していた。
 
 タシィさんは、中国のチベット侵攻後の1959年、チベットからインドに亡命し、その地で生まれた。紛争は直接経験していないが、父親の壮絶な体験がタシィさんの心に刻み込まれている。
 
 父親は紛争の最中、政治的理由で中国公安当局に拘束され、死刑を宣告された。しかし執行の前日、一か八か、小さな窓から絶壁に向かって飛び降りて脱走、一命を取り留めた。その後、夫婦で当時7歳だった兄を連れて2週間かけて、命からがらヒマラヤ山脈を越えたという。
 
 「チベット独立は両親の悲願でもある。それを実現するためには、残りすべての人生を犠牲にする覚悟がある」
 
 チベット難民として暮らしたインドでは、常に「どこにも所属しないホームレスのような感じだった」。しかし、ダライ・ラマ14世の言葉に接し、考え方が変わった。「チベットはチベット人のもの。暴力を使わず、平和的に訴えることで、私たちの『自由』を取り戻したい」。
 
 タシィさんは25日夜に長野入り。タイの聖火リレーでも抗議活動に参加したが、そのときと比べると、日本のほうがチベット支援者が多いことに驚いたといい、「応援してくれる日本のみなさんに感謝している」と述べていた。
 

 
 穏健にチベット問題を訴える人たちもいた。市民団体「SFT日本」の代表を務める亡命チベット人2世、ツェリン・ドルジェさん(34)=名古屋市=らも長野入りし、「チベットに自由を チベットに人権を」と書かれた横断幕を握りしめた。
 
 「私たちは聖火リレーを妨害するつもりはない。ただ、中国政府にオリンピック精神に立ち返ってほしいだけ。自分の思うこと、感じること、自由に発言できる社会にしたいだけだ」
 
 SFTでは事前に、抗議をする場所や抗議方法について、長野県と協議を重ねていたが、ツェリンさんらの周りには、「ワン・チャイナ」と連呼し、中国国旗を翻す大勢の中国人たちが詰めかけ、その声はほとんどかき消された。
 
 チベットの中心都市、ラサでは中国人の人口がチベット人を超え、子供たちも中国語を話すようになっているといい、「このままでは私たちの文化や宗教は確実に跡形もなく消えてしまう」。
 
 この日、長野を訪れたチベット人らの多くは3グループに分かれて抗議活動に出かけた。あるチベット系中国人男性は「チベットに残してきた家族が中国の公安当局に尋問を受けており、顔や名前を出して抗議活動をするのは正直怖い」とこぼした。

 第三者なのだから日本人がものを投げつけたりするのは必ず自制すべきだろうが、彼は自分の祖国が消滅しようとしている状況のなかで“やむにやまれず”飛び出したのだから、大目にみてやるべきだろう。

 彼だけはテレビにもしっかり映し出されて、いちばん目立っていたと言える。亡命チベット人(の子)であるという意味でも、彼がいちばん抗議活動に成功している。まさしく象徴的な人物である。本来ならばチベット問題に体をはって抗議した人物として英雄扱いされてもいいように思う。ところが、ほとんどの新聞がこの背景を報道していないようだ。新聞はチベット人に完全に味方するスタンスはとらなくてもいいが、せめて軽い問いかけくらいの形でこの人物の行動背景を報道するくらいのことがあってもいいのではないかと思う。

 
 
 
 

で、最後に一句。
 
   聖火リレー 騒乱かかげ五大陸

 
 

せっかくだから、調子に乗ってもう一丁! (^o^)ノ
 
   「ワンチャイナ」「フリーチベット」護送リレー

 
 
 
 
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【2008/04/28 00:11】 政治 | トラックバック(1) | コメント(0) |

国境なき記者団への要望

 彼らが読むかどうかはわからないが、こんな要望記事を書いてみることにした。

 

 世界のあちこちで騒ぎを起こしている(?)国境なき記者団が来日するそうだが、日本では過激な抗議活動にならないように心がけていただきたい。そして、くれぐれも暴力的な事態を触発しないように、聖火リレー市実行委員会や警察等の指示にきちんと従ってほしい。

 たとえば、こんなガイドラインに従ってもらえたら嬉しい。

1)進路妨害などの実力行使によって聖火リレーの進行を妨げないこと。
 
2)横断幕を広げたり五輪開催反対を叫ぶ等の抗議活動は、特定の場所に集まって、中国人らと接触しないように私服・制服警官などの人垣に囲まれた中で行なうこと。(警察などがやってくれればの話だが。)
 
3)インタビューや撮影等の取材活動を行なう場合には、チベットの旗や手錠の五輪マークなど反中国を示すような標識は取り外して、他の一般の外国メディアと区別がつかないような外見で行なうこと。
 
これだけ守ってくれれば、国境なき記者団に関してはトラブルはほとんどないのではないかと思う。

 日本人が――ほんの一部かもしれないが――チベットの人権問題に並々ならぬ関心を示しているのは、すでに善光寺が聖火リレーの出発地を辞退したことによって広く知られていることだろう。それに、せっかくだから以下の法要をしっかり取材していってもらいたい。日本で聖火リレーが妨害されたニュースよりも、こういう平和活動が聖火リレーのすぐそばで行なわれていたことをニュースにして世界中に発信してもらったほうが、チベットの人権問題に有利に働くだろうし、日本だからこそ見られた活動として世界に注目してもらえるだろう。

聖火リレー当日、善光寺で法要・チベット問題、僧侶有志ら訴え

(日経ネット 2008年4月22日)

 チベットの人権改善を訴える市民団体「チベット問題を考える長野の会」は21日、長野市で北京五輪の聖火リレーが行われる26日早朝に、善光寺でチベット暴動の死者を追悼する法要を行うと発表した。
 
 法要は、チベット人を支援する国際組織「スチューデンツ・フォー・ア・フリー・チベット(SFT)」日本支部と同会の共催。3人の善光寺住職を含む僧侶有志グループや、約30人の在日チベット人らも参加する。
 
 リレーは26日午前に実施。これに先立ち同日午前6時半ごろから善光寺本堂で犠牲者を追悼、判明している死者の名前を読み上げ、対立のない平和な世界の実現を祈る。
 
 法要後、同会やSFTの一団は、聖火リレーのスタート地点やゴール地点、JR長野駅前などのコース沿いで、横断幕を掲げるなどして平和をアピール。同会の野池元基代表(50)は「リレーを妨害する意図はない。対立が無くなることを願いたい」と説明している。〔共同〕(06:31)

 仏教も日本文化の重要な一要素と考えている私は、もちろんチベット人の味方である。彼らの言語と仏教文化はなんとしても保護されなければならない。漢民族の考えだけでそれらを衰退させるのは絶対に許容できない。

 ただし、暴力騒ぎを起こさないのなら中国人留学生などが長野に駆けつけて聖火リレーを盛り上げるのは一向に構わないと思う。自分たちの国家の行事が成功するように願うのは当然のことである。ただし、スポーツはルールを守って正々堂々と競い合うものだから、不法入国や不法滞在をしている中国人には長野に応援しに来る資格はない。そういう人間は警察に即刻逮捕されてその場から排除されるべきである。

 聖火リレーの会場では、ある場所には中国の旗を振って歓声を上げる中国人がいても大いに結構。だが、別の場所ではチベットの旗を振って「フリー・チベット!」と叫ぶ人々がいるのもよかろうと思う。また、漢民族とチベット民族とが平和的に問題解決に向かうことを静かにアピールする僧侶たちが周辺を歩き回っていてもいい。そして、そんな政治的なことは関係なしに、ただリレーをする有名人や五輪代表選手にエールを送る人もいていい。

 もともとの日本は“棲み分け”がよくできる国だった。だから、この聖火リレーのイベントでも、そのような棲み分けができるように聖火リレー市実行委員会や警察は区画整理などをしっかりやってもらいたい。

 現状では中国政府が一方的な態度でチベットをコントロールしようとしているが、本来ならば棲み分けによって両民族が共存・共栄できる道を目指すべきなのである。もしそんな理想的な状態を長野でデモンストレーションできれば、それこそチベットの人権問題が平和的に解決されていくモデルになるのではないかと思う。

 他国は大いに中国政府に反発してもらって結構。しかし、日本(とくに日本政府)はそういう形でチベット人の人権を守ろうとしなくてもいい。どちらにも味方せずに、むしろ調停役を買って出るくらいであってもよいかもしれない。うまくいくにせよいかないにせよ、日本政府が中国政府とダライラマとの会談の場を提供するくらいのことがあってもいい。「チベット独立に関しては関知しないが、仏教文化をもつ日本としてはチベット語と仏教文化が衰退してもらっては困る」くらいの態度を日本国が一貫して持っていられれば、調停者として適任ではないかと思う。

 聖火リレーが実際にどんな状態になるか分からないが、国境なき記者団には、自分たちの人権イデオロギーだけで評価することなく、「日本は他国とは根本的に違う役割があるかもしれないぞ」という目で取材していってほしいと思う。

 
 
 
 
 
 
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【2008/04/24 07:14】 文化 | トラックバック(0) | コメント(0) |

北京五輪聖火リレーを嗤え

 日本でも長野で北京オリンピックの聖火リレーが行なわれるが、日本人は暴力的な抗議は絶対にすべきではないと思う。そんなものを妨害したところでチベットの人権が回復されるわけでもないし、ダライラマは暴力的な抗議活動には賛成していないからである。

 4月10日にダライラマが日本に立ち寄った際、成田市内のホテルで行なった会見の動画がYouTubeにあったので、ここに提示しておこう。そのうち見られなくなると思われるので、早めに見ることをお勧めしたい。

ダライラマ法王記者会見@成田 Part.1of5

 
ダライラマ法王記者会見@成田 Part.2of5

 
ダライラマ法王記者会見@成田 Part.3of5

 
ダライラマ法王記者会見@成田 Part.4of5

 
ダライラマ法王記者会見@成田 Part.5of5

 
 

 とりあえず消えてしまった場合に備えてニュース記事。

ダライ・ラマが北京五輪支持を表明、チベット問題では中国政府を批判

(ロイター - 04月10日 18:52)

 [成田 10日 ロイター] チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は10日、成田空港近くのホテルで記者会見を行い、チベット自治区の騒乱を武力で鎮圧した中国政府のやり方は時代遅れだと述べた。一方、北京での五輪開催は支持するとの立場を明確にした。
 
 米国へ向かう途中で日本に立ち寄ったダライ・ラマは「中国政府には現実を受け入れ、現実に則した解決策を見つける時が来た」と指摘。「何か危機が起きるたび、ただ暴力で鎮圧するのは実に時代遅れの方法だ」と述べた。
 
 中国当局は、先月に起きたチベット騒乱を発端にした一連の騒動について、ダライ・ラマと支持者らが扇動したと非難しているが、ダライ・ラマ側は関与を否定している。
 
 
聖火妨害「暴力は絶対にいけない」成田でダライ・ラマが会見

(2008年4月10日20時43分 読売新聞)

 訪米途中で日本に立ち寄ったチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は10日、成田空港近くのホテルで記者会見し、ロンドンなど北京五輪の聖火リレー通過地で、チベット暴動を鎮圧した中国政府への抗議行動により混乱が続いたことに触れ、「自分たちの心情を表現することは構わないが、暴力は絶対にいけない」と述べ、過激な妨害行為の自制を求めた。
 
 また、ダライ・ラマは、「北京五輪の開催を支持する立場に変わりはない」と改めて強調。一方で、「中国の人々はチベットの実情を知らされていない。公式発表も事実と異なり、不要な誤解を招いている」と述べ、国際機関による調査を改めて求めた。記者会見後、ダライ・ラマは米シアトルに向かった。
 
 

 私としては、ダライラマが中国の情報操作によって悪人に仕立て上げられようとしている点に最も憤慨している。不殺生(非暴力)を戒律とする仏教指導者のダライラマは決して暴動の首謀者ではないだろうし、上の動画でもはっきりわかるように彼は北京五輪を支持してもいる。

 ネット上では、たとえば聖火リレーの道をチベットの国旗でいっぱいにしようなどと呼びかけているようだが、さらに進んで暴力的な抗議をすれば、それはダライラマの意に反することだろうし、チベット人のためにもならない。すでに各国で抗議活動がなされているのだから、仏教国といってもいい日本では、聖火を消そうなどという攻撃的な試みはせずに、非暴力的に日本人がチベット人の味方であることをアピールすべきではなかろうかと思う。

 私のアイデアとしては、たとえば以下のようなメッセージの入ったダライラマの大きな肖像ポスターのプラカードを担いで沿道に立つなどでもいいのではないかと思う。

Magnanimous Dalai Lama
 supports Olympic games.

寛大なるダライラマは
 北京五輪を支持しています。

 心が狭いのは中国のほうだと暗に示して、聖火ランナーを戯画化してやればいい。観客側はこの上なく平和に、警備側はこの上なく物々しく。(笑) そして、外国メディアがそれを拾ってくれれば、けっこうなネタになるかもしれない。中国がダライラマを非難すればすればするほど、ニュースで中国政府による非難映像の直後にそのプラカードの映像が流れれば、笑える映像となる。ダライラマのほうが人物が一枚上というメッセージを送るのである。

 まあ、ダライラマは肖像権でどうこう言うような人物ではないと思うが、写真は撮影者の著作権がどうでこうでとうるさい時代だから、これは個人ではなかなか実行しがたいプランかもしれないが、うまく手配して、上記のようなことをやってくれる人がいると嬉しいなあと思う。

Nonviolence
   the first precept of buddhism
 
不殺生(非暴力)
   仏教の第一の戒律
なんていうプラカードもいいかもしれない。これは坊さんにやってもらいたいものだ。僧侶がたくさん出歩けば、日本がチベットの味方をしているというのを非常によくアピールできるのではないかと思う。

 少なくとも日本の僧侶は、ダライラマの非暴力的態度を擁護すべきだと思う。彼は、防衛や外交は中国に任せてもいいが、チベットの言語と文化は保護したいという。一般の日本人はあまりチベット仏教を知らないのだろうが、日本の僧侶は多少とも知っているべきだし、知れば知るほど、あの文化圏がなくなることは日本仏教にとっても大きな損失だと気づくだろう。

 ここで専門的な議論を展開しても煩瑣になるだけなので簡単に紹介だけしておくが、チベット語は、インド仏教のサンスクリット語経典をかなり忠実に翻訳できるような仏教専門語といってもいい。日本人は漢訳経典ばかりを使っているが、漢訳は必ずしもサンスクリット原文を忠実に訳してはいない。つまり、仏教の精髄を把握するためにはサンスクリット原文にあたるべきなのだが、すでに散逸しているものが多いので、次に精確なものとしてチベット語の仏典は非常に貴重なのである。ところが彼らの言語が衰退すれば、仏教の本来の姿もますます見えなくなってしまう。日本仏教は日本人向きに発達・進化したと考える人々もいるだろうが、チベット仏教を学ぶことによって日本の仏教が息を吹き返す場合もあるだろうと思う。これは、私がチベット仏教の本などを読んで感じることである。このようにチベット文化は日本の仏教文化にとっても非常に貴重な存在なのだから、日本人には是非ともチベット人の味方になってほしいと思う。

 
 
 

 ところで、中国人留学生が数千人の規模で長野に動員されるなどという話もある。どうせ不法入国・不法残留している中国人がその中にたくさんいるのだろうから、警察はこの機会に是非とも摘発・拘束してほしい。不法入国者の一斉摘発にはちょうどいい機会である。パスポートなどの不携帯だけでもしょっ引いてくれれば、いかに中国人がルールを守らない民族かがはっきりするだろう。長野に中国人さえ来なければ(または非常に少なければ)、聖火リレーは平和のうちに終わるだろう。あ、国境なき記者団もひと暴れしてくれそうなので注意が必要だが。

 
 
 
 

 で、私はというと長野には行かないが、ここでチベットの旗の画像を読者に紹介することでチベット人をサポートしたい。以下は、某所からのコピペである。

さて、大きなサイズのチベット国旗を以下にアップ致しましたのでプリントアウトされれば小旗も作れます。
http://www.fileden.com/files/2006/11/20/401251/free-tibet-flagge.jpg
 
アイロンプリント用紙にプリントアウトすれば布製の旗もTシャツも作製できます。
http://www.sanwa.co.jp/product/ichiran.asp?dir1=yosi/inkjet/cut/tokushu/shirt-white&mode=head
 
Tシャツ等用 Free Tibet
http://www.fileden.com/files/2006/11/20/401251/freetibet.jpg
 
Tシャツ等用 Save Tibet
http://www.fileden.com/files/2006/11/20/401251/savetibet.jpg
 
 
 
 
 
 
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【2008/04/22 07:02】 政治 | トラックバック(0) | コメント(0) |

児童ポルノ禁止法改正に反対!

 国内ではガソリン税も再び値上げするかどうかでモメているし、海外ではチベット問題で大騒ぎ。そういう時に、このブログは「児童ポルノ禁止法改正に反対!」の狼煙をあげる。なんて平和な時事評論ブログなんだ。(^◇^; ・・・・・などと言うのは大間違い。なにやら異常な倫理的雰囲気のなかで日本は住みにくい世の中になっていきそうな予感がする。自民党は単純所持に罰則をかけることで突き進んでいくようだが、民主党はちょっとは慎重姿勢なもよう。もうこうなったら、しばし民主党応援に鞍替えするかな。(苦笑)

 だいぶ長くなるので、最初に要約しておく。まず、ネット・セキュリティ対策の現状を考えると、児童ポルノを送られて無実の罪を着せられる可能性があるのでこの法律は不完全であるということ。第二に、児童を守りたいのならば、むしろネットの表通りに出ないような方策を優先的にとるべきだということ。第三に、これは個人の内心の性的嗜好への国家権力の不当介入だということ。第四に、これによって特に児童を対象にした強姦などの性犯罪者が増える危険性があるということ。本当は本格的な児童ポルノ論を立ち上げて反対論を展開しなければならないのだが、このブログではそういう“やわらかい話”は論じにくいので、そのうち《浮世[天]風呂 @和の空間》でやってみたいと思う。←と、いつも掛け声だけはいいが実行できないまま終わることが多い。(^^;

 
 

政治は単純所持の罰則化に向かう


 
児童買春・ポルノ:禁止法改正で自民・民主の議論本格化

(毎日新聞 2008年4月2日 21時52分 (最終更新 4月10日 22時04分))

 

児童ポルノ事件の検挙状況 児童買春・児童ポルノ禁止法の改正をめぐり2日、自民、民主両党が相次いで実務者レベルの会合を開いた。自民党は18歳未満の男女を写したポルノ画像などを個人で収集する「単純所持」への罰則規定を設ける方針を決定。この日、本格的な議論を始めた民主党では、単純所持の規制について「捜査権の乱用につながる」との懸念も示された。法改正の必要性では両党とも一致しており、今後は接点を探る動きが出てくることが予想される。
   
 現行法は99年施行で、18歳未満を被写体とした性的刺激が強い画像やビデオを規制する。制作・販売▽販売・提供目的での所持▽ネットでの公開などが処罰対象だが、個人的に集める「単純所持」は処罰の対象外だ。単純所持を禁じていないのはG8(主要8カ国)では日本とロシアだけとされる。米国の規制強化要求もあり、公明党のプロジェクトチームも先月、単純所持を処罰対象に加える方針を固めるなど、与党内の法改正に向けた動きが活発化している。
 
 自民党は2日の「児童ポルノ禁止法見直しに関する小委員会」(森山真弓委員長)で、単純所持に罰則を設けることで一致した。捜査権乱用への懸念からこれまでは慎重に検討していた。迷惑メールでの画像の送り付けなど、本人が意図せずに所持した場合は規制対象から外す乱用防止措置を取ることを前提に、罰則設置を決めた。
 
 一方、民主党は「児童買春・児童ポルノ禁止法改正検討チーム」(座長・千葉景子参院議員)の初会合に先立ち、シーファー駐日米大使と同法改正問題で意見交換した。単純所持禁止の意義を訴えるシーファー氏に、千葉氏は「日本での捜査の実情を考えると危惧(きぐ)を感じる」と指摘した。初会合では小宮山洋子衆院議員が「参加者はみな、子どもを守りたいが、捜査権を乱用されては困る」と懸念を示した。
 
【田中成之、堀井恵里子】
 
 ■自民党がまとめた児童買春・児童ポルノ禁止法改正案の骨子案
 
・児童ポルノに関する禁止行為(製造、輸入など)に「(目的にかかわらない)所持」を追加
 
・「所持」の範囲は限定(「入手経緯が受動的で、保管していることを知らなかった場合など」を検討中)
 
・「所持」に罰則規定を設ける

 まあ、「入手経緯が受動的で、保管していることを知らなかった場合など」は最低限必須だろう。これがなければ悪魔の法になる。かりに間違って保存してしまったものを削除したにしても、警察がそのPCを押収して削除ファイルを復活させるユーティリティ・ソフトを使って確認出来るようにし、「さあ、ここに所有しているだろう!」などと強弁されたらたまったものではない。これを避けるためには児童ポルノ画像を誤って見てしまっただけでPCの完全な初期化が必要であり、その後いちいちWindowsなどからインストールし直さなければならない。慣れていない人はほとんど不可能だろうし、慣れていても何時間の時間のロスがあるのか。私は、Windowsの再インストールをしたことはあるが、まだPCの完全な初期化はやったことがない。一度政治家に、PCの完全な初期化とOSの再インストールからやらせてみたいものだ。

 「所持」の範囲は限定しなければ、PC所有者の半数以上が可能性として潜在的な犯罪者状態に置かれる。政治家は、いったいセキュリティ対策が完全なPCユーザーがどれだけいると考えているのだろうか。《情報セキュリティ対策は十分に浸透していない――IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)意識調査》によると、2割以上がセキュリティ対策ソフトを導入しておらず、OS に「パッチをあてて、最新の状態にしておく」(48.9%)という対策は約5割が実施していないという。これらの人々は、陥れる目的またはいたずらで児童ポルノをPCに送り込まれる可能性がある。

児童ポルノ「単純所持」にも刑罰、与党チームが方針一致

(2008年4月18日18時54分 読売新聞)

 与党の「児童ポルノ禁止法見直しに関するプロジェクトチーム」(森山真弓座長)は18日に国会内で開いた初会合で、現在は認められている児童ポルノの「単純所持」も禁止し、懲役を含めた刑罰を新設する方針で一致した。
 
 ただ、メールや郵送で送りつけられるなど、意図せずに所持するケースも想定されるとして、「自己の性的好奇心を満たす目的」という条件を付けることにした。
 

 しかしまあ、意図せずにであろうと何であろうと、男だったら故意に児童ポルノを集めただろうと疑われることは間違いない。だから、所持が違法という規定ができただけで、安心してPCも使えなくなる。おそらく児童ポルノには全く関心がないネットユーザーでも、ネットの危険性を認識すれば、単純所持の罰則規定にはちょっと首をかしげるのではなかろうか。

 
 

ネット上の氾濫状態こそが問題


 

 これは新聞の解説だが、単純所持の罰則をもうけることにはこんな背景があると考えてよかろう。

質問なるほドリ:児童ポルノ、持ってるだけで犯罪?=回答・磯崎由美

(毎日jp)

 
 <NEWS NAVIGATOR>
 
 ◆児童ポルノ、持ってるだけで犯罪?
 
 ◇買っても、もらっても処罰--ネットで拡散、規制の検討進む
 なるほドリ 与党が児童ポルノの単純所持を処罰することを検討しているらしいね。でも「単純所持」って何?
 
 記者 画像を誰かに販売、提供する目的ではなく、自分で見るだけのために持つことです。現在の児童買春・児童ポルノ禁止法では、販売や提供目的の所持は処罰されますが、買ったりもらったりした人は罪に問われません。
 
 Q 自分で持っているだけなら、誰にも迷惑はかからないんじゃない?
 
 A 画像の多くは盗撮や買春などで集められ、マニアや業者が複製を繰り返しています。被害者は「今も誰かが(撮影された画像を)見ている」という恐怖から逃れられません。でも単純所持が処罰対象となれば、持っている画像を廃棄する人が増えると期待されています。単純所持の禁止は99年の法律制定時からの検討課題でしたが、警察の権限が強まることやプライバシー侵害を懸念する声が強く、見送られてきました。しかしネットを通じ児童ポルノが世界的に拡散したため国際社会で規制の流れが強まったのです。
 
 Q そもそも児童ポルノってどんなものを指すの?
 
 A 日本では18歳未満を撮影した、性欲を刺激するような画像や写真と定義されています。マンガやコンピューターグラフィックスを規制対象にする国もありますが、日本の現行法では対象に含まれません。カナダでは、科学や教育、芸術など合法的な目的がある場合は除外しています。
 
 Q 日本だけが悪いの?
 
 A 他国でも問題は深刻で、国境を越えた収集家の摘発も進んでいます。しかし「日本で単純所持が違法でないため、日本人に渡った画像を没収できず、拡散に歯止めがかからない」との声が国際社会に広がり、米国から「法改正して捜査に参加して」と呼びかけられているわけです。
 
 Q 迷惑メールが増えているし、一方的に画像を送られて「単純所持」にされちゃうのは困るなあ。
 
 A それは大丈夫。既に単純所持を処罰対象にしている国々も、そうした場合は罪に問わない法律になっています。海外を参考に、意図的に入手した人に限り処罰する方向で議論が進んでいます。(生活報道センター)
 

 なんだかポルノ嫌いの一方的な論理展開という感じがする。この論理にのっかると、どんどん規制の方向に進んでいくような気がしてならない。だから、私は日本全国ウン千万人のポルノ好きお父さんのために(笑)、ポルノは必ずしも悪ではないという立場に“敢えて”立って、別の道を提起したい。

 買春や盗撮で被害をうけるのは、なにも児童だけではない。被害の拡大を防ぐという意味で法改正をするのならば、児童ポルノ禁止法だけをやってもほとんど意味がない。買春でポルノ画像が拡散するのは基本的に自業自得である。児童は無知だから保護されるべきという考え方もあるが、性教育の不備という点で、すでに最初から保護に失敗している。援助交際という名の少女売春をさせないようにすることが第一で、もし現時点でも不完全な性教育がなされているとすれば、教育を拒否して反抗した少女たちの自業自得でもある。それさえも問題だというのなら、少女たちは男性から隔離されるべきである。カネ目当てに男についていくという時点で、すでに成人女性と同じ責任があるといってよかろう。

 盗撮に関しては、おそらくラブホテルや更衣室、風呂場などでの盗撮を指しているのだろう。これは自業自得というわけにもいかないが、見られている自分の姿にある程度は用心すべきである。これに関しては、ポルノ害悪論よりも肖像権の観点から解決方向を見いだすべきではなかろうか。恥ずかしい姿というのは、人によりさまざまである。見られていることを意識して全裸でいるのは恥ずかしくないが、化粧をしていない姿を撮られるのは非常に恥ずかしいという女性だっているはずであり、客観的に何が映っているかで被写体の被害状況を一律に判定することは難しい。ポルノ害悪論は、被写体の心理を度外視して、見せられる側の心理に基づいている点で、いかがわしい。被害者の人権という仮面をかぶったセックス排除の道徳論である可能性が濃厚である。

 問題なのはむしろネットにポルノ画像が氾濫しているということだろう。これをなんとか隔離すれば、児童ポルノに関しても被害はずっと縮小される。ちょうど書店でアダルトコーナーを設けるようなものである。

 ところが、書店やレンタルビデオ店なども18歳未満の立ち入り規制を厳格にはやっていないのだろうし、警察もまたポルノの規制に及び腰である。かつてはアンダーヘアが映っていただけで猥褻物陳列罪で摘発されたのだが、芸術か、ポルノか、あるいは社会的許容度かの問題で議論がされているうちに、いつのまにやらアンダーヘアの画像は猥褻物ではなくなった。ポルノというのは、警察が取り締まるか否かで罪が罪でなくなるという、じつにあやふやな代物なのである。そのように曖昧だからこそ、ポルノそのものを下手に法律で処罰しないほうがいい。むしろ流通する場所を狭くしたり管理したりすべきである。

 特にネットの表通りに出てくるのは、週刊誌ネタのニュース記事で人々が注目するという要因が上げられる。たとえば、ジュニアアイドルDVDの制作会社・心●社が児童ポルノ法違反で摘発されたニュースを見るまで、私もこの会社の存在を全く知らなかった。ニュースを見てどんなのだろうと思って見に行く人は多いわけで、もし児童の過激な性的画像を見られること自体が被害だというのなら、そうやって被害が拡大していくのである。できるだけそっとしておくという方法がいちばん被害が拡大しない。表沙汰になると困るといって性的事件を隠している被害者も多いのだろうから、とにかく世間一般が関心を向けないように隅に追いやるというのが第一にすべき善後策ではないかと思う。

児童ポルノサイト、削除は300件…警察庁は1600件確認

(2008年4月18日14時38分 読売新聞)

 警察庁の委託でサイバー空間の有害情報の通報を受けている「インターネット・ホットラインセンター」(東京都港区)が昨年1年間、ネット上で確認した児童ポルノ1600件のうち、削除要請に応じたのは300件にとどまることがわかった。
 
 日本では児童ポルノをパソコンに取り込んだだけでは処罰されないため、過激な画像がネット上に出回る原因になっている。このため法規制とともに、対象サイトへの接続が出来なくなる措置を導入すべきだとの声も上がっている。
 
 同センターによると、昨年、児童ポルノ絡みで通報を受けて発見した不法サイトは約1600件。うち3分の1にあたる約540件は海外のサーバーが使われていたため、サイトの開設者らに直接、削除を要請できなかった。
 
 残りは国内のサーバーを使っているケースだったが、開設者を特定できても同センターの削除要請には強制力がないため、実際に削除を求めた約500件のうち、応じたのは約300件だけで、残りは閲覧可能のまま。さらに削除が確認されても類似のサイトがすぐに開設されるのが実情で、同センターの吉川誠司副センター長は「我々が把握しているのは氷山の一角ではないか」と分析する。
 
 実際、ネット上には「無修正ロリータ画像」などのサイトが無数にある。こうしたサイトに一度でも画像が投稿されると多数の人にコピーされて拡散する可能性が高く、奈良県警が2005年3月に約100人の女児の映像を販売していたグループを摘発したケースでも、複製画像が今もネット上で「人気シリーズ」として出回っている。
 
 海外では、児童ポルノを見ること自体を「犯罪」としている国も多いが、日本の児童買春・児童ポルノ禁止法で処罰対象となるのは画像の売買や譲渡などだけ。パソコンや携帯電話に取り込む「単純所持」は処罰されないため、国会では、単純所持に罰則を科す法改正の議論が進んでいる。
 
            ◇
 
 ネット上の児童ポルノ対策として、2004年以降、英国やスウェーデン、デンマークなどで導入されている「ブロッキング」の必要性を訴える専門家も多い。
 
 ブロッキングは、警察などが作った児童ポルノ関連の「ブラックリスト」をもとにプロバイダーが対象サイトへの接続を不可能にする措置。
 
 この場合、海外のサーバーが使われていてもサイトを見ることはできなくなり、スウェーデンでは1日3万件をブロックしているという実績もある。
 
 この問題に詳しい後藤啓二弁護士は「サイトの開設者への打撃にもつながり、児童ポルノの流通を大幅に減らす効果が期待できる」と話している。

 海外に置かれているならば、削除要請さえできない状態である。ポルノ業者は、撮影した児童ポルノを即、外国のサーバーに保存して、編集等はすべてそこから取り出して行ない、自分のPCには絶対に保存しないだろう。これで法の網はくぐれる。これでは全く罰則を付加する意味がない。

 単純所持に罰則があろうとも供給元であるポルノ業者はなんら困らない。処罰されても、せいぜい高い税金を払った程度のものだろう。客から見向きもされないポルノを売ろうとするよりも、少々の危険を犯しても稼いだほうがいいのだから、児童ポルノに人々がしらけるまで過激路線は維持されるはずである。

 それに、所持しなければいいというのなら、ストリーム配信によって所持せずにネットで児童ポルノ動画を見るだけというサイトが増えるだろうことは間違いなく、被写体の被害状況は変化しない。ポルノ業者は外国のサーバーから動画を送れば済むことだ。しかもどんどん設置場所は変えていって、URLだけ顧客に連絡すればいい。むしろ新たな改正で違法を匂わせると、かえってアンダーグラウンドに入って闇の資金源になっていくのではなかろうか。

 私としては、ブロッキングという対策のほうがよいと思う。米国が文句を言ってくるならば、ブラックリストを米国に渡せばいいだけである。世界中で協力して相互にブラックリストを提供しあい、それを各国のプロバイダーにアクセス禁止サイトに指定してもらえば、ほぼ表には出て来なくなる。それでも裏に残るのは仕方がない。

 ちなみに、無修正ロリータ画像というのに反応してしまう人もいるのだろうが、現実問題として女児は5年もすれば顔も体格もだいぶ変化して、たぶん真正ロリコンの性欲の対象にはならないだろうし、10年もすれば、言われなければそれが十年前のその女性だとは気づかないほどに変化する。表に出て来るまでの時間をできるだけ長くすることによって、被害者が画像氾濫による二次被害をうける程度が少なくなってくる。本人が同定されるようなポルノ情報を徹底して摘発するという方向性で取り締まったほうがいい。

 
 

禁止対象が拡大解釈されていく


 

 ちなみに心●社の事件は、摘発は児童ポルノ禁止法だが、起訴段階では「児童福祉法違反」に切り替えられた。ポルノ系サイトなので引用元のアドレスは伏せるが、

10月16日、ジュニアアイドル作品を数多く制作しているメーカー、心●社のチーフプロデューサーら4人が児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで摘発、逮捕されたが、その容疑者らが11月6日に児童ポルノ法違反ではなく児童福祉法違反で起訴された。
 
「東京地検は『映像の内容は児童ポルノに当たる』との見解を取ったものの、『撮影対象になったのは17歳で、他の児童ポルノに比べ悪質性が高いとはいえない』として、児童福祉法違反罪での起訴が適当と判断した」(MSN産経ニュース)。
「被害児童が撮影を承諾していたことなども考慮し、児童福祉法違反罪を適用した」(時事ドットコム)。
「3人のほかカメラマンも逮捕したが、地検は『関与が従属的だった』として処分保留で釈放した」(nikkansports.com)。
 
nikkansports.comの記事に書かれてある「女子高生をバリ島に連れ出し、心身に有害な影響を与える目的で被写体とした」ことが児童福祉法違反罪になったということだろうか。
 たぶん売られている画像は過激とはいえ水着写真のみで、児童ポルノ禁止法では有罪に出来ないと踏んだのだろう。「他の児童ポルノに比べ悪質性が高いとはいえない」というのなら、もっと悪質なのを警察はどんどん摘発しろよと言いたい。これは、児童ポルノ禁止法がじつはザル法であって別件逮捕のような形で口実に使われるだけだという危険性を示している。むしろ児童福祉法のほうが被害の拡大を防げるということだろう。

 警察が現在の法律で供給側をきちんと取り締まらないから野放図に広がってしまう。すでに警察に取締能力(というかやる気か?)がないのだから、単純所持をしていても完全な取り締まりができるはずもなく、現状はさして変わらないのに、とくに児童ポルノを拡散させようとしているわけでもなく性的嗜好によって単に所持している不運な人間が罪に問われるだけの結果になる。警察は児童ポルノ禁止法で取り締まる気がないということだろうし、それを徹底してやれば世間の反対が強くなりすぎるということだろう。世間のホンネは、児童ポルノ歓迎(少なくとも悪くない)なのである。むしろ警察の恣意的摘発によって、規定を細かく決めないで十把一絡げでポルノ全体を悪者に仕立て上げてしまう。

 行き当たりばったりに児童ポルノ禁止法で摘発するというのは、ちょうどスピード違反のねずみとりのようなものである。違反者はたくさんいるが、不運なドライバーだけが捕まる。児童ポルノ禁止法で危険なのは、実際の影響力からいって一発で社会人免許取り消しのような効力を発揮することである。ポルノ業者はもともとエロ男として生きているのだろうからたいした問題ではないだろうが、一般のポルノ消費者はギャップが大きすぎる。

 私がさらに危険だと思うのは、児童ポルノの概念がどんどん拡大していくことである。今はまだ少しましだが、やがて何でもかんでも児童ポルノになってしまう時が来る。今は実在の人物の写真や映像のみを罰則の対象にしようとしているが、やがては二次元の架空キャラクターの性描写までも罰則の対象になるだろう。日本ユニセフ狂会・・・ぢゃなかった協会が、被害児童が存在しなくても“準児童ポルノ”と位置づけてそれを違法化しようと企んでいる。この団体は「水清ければ魚住まず」という諺を知らないらしい。水道水まで濁らせろとは言わないが、多少濁ったところも必要なのである。

日本ユニセフ協会、“準児童ポルノ”への見解を表明

(INTERNET Watch )

 日本ユニセフ協会は、“準児童ポルノ”に関する質問が寄せられているとして、公式サイト上で見解を発表した。“準児童ポルノ”の基準については、「欧米各国では法律等で禁じられている子どもへの性的虐待を描いた」ものが対象と説明。今後は、これらを法規制している諸外国を参考に、日本でも法制度との整合性を図りながら、法的規制を検討すべきとの考えを示した。
 
 
“準児童ポルノ”違法化は漫画やアニメそのものを否定するものではない
 
 日本ユニセフ協会では、3月11日に開始した「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンで、児童の性的な姿態や虐待などを描写したアニメ、漫画、ゲームに加えて、18歳以上が児童を演じるアダルトビデオなども“準児童ポルノ”と定義。これらを違法化することを訴えたが、賛同の声以外に質問も寄せられているという。
 
 これに対して日本ユニセフ協会は3月17日、漫画やアニメ、ゲームそのものを否定するものではないなどとする見解を発表。“子どもポルノ” (“準児童ポルノ”と同義)の基準については、あくまで「欧米各国では法律等で禁じられている子どもへの性的虐待を描いた」もので、「子どもに対する性的虐待を性目的で描写した」ものに限定されると説明している。
 
 また、性目的で描写した“子どもポルノ”であっても、自分自身の楽しみのために紙やPC上で描く行為など、他人への提供を目的としない製造の禁止は求めないとしている。
 
 “子どもポルノ”への法的規制を主張する理由については、子どもへの性的虐待を描いた漫画やアニメを処罰する国が少なくないと指摘。さらに3月 28日付でもコメントを発表し、これらの国の法規制などを参考に、日本の国際社会における立場なども考慮した上で、日本の法制度との整合性を図りながら法的規制を検討すべきとした。
 
 なお、検討の過程では、日本を含む世界193カ国・地域が批准する「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」の精神と内容が尊重されるよう訴えるとした。
 

 児童ポルノの概念はどんどん拡大解釈され、実際の児童が被害にあっていなくても、児童に見えるだけで児童ポルノ認定されてしまう危険がある。おそらく貧乳で中学生顔の成人女性が、たとえばセーラー服などを着て“美少女”などの解説を入れたポルノ作品で商売をしている場合もあるのではないかと思う。制作者は女優の真の年齢を知っているから摘発を免れやすいだろうが、何も知らない購買者は、その女優が成人である証明ができないからあらぬ罪をかぶせられる。この単純所持の罰則化は、結局は児童を性的な対象として見ようとする態度または願望そのものを取り締まる結果になるのである。日本はいつから宗教国家になったのか。

 いちど禁止の方向に進んだら、このような一見倫理的な法律の後戻りは難しい。だから政治家には慎重にやってもらわなければならない。今でさえ禁止の方向に進むのを止める行為は、良識ある政治家の顔をしているためには難しいだろう。いちど倫理的な顔をして動き出したら、たとえあとで不都合だと分かっても止めるのは非常に困難になる。そうやって過剰に倫理的になれば、健全な人まで病気になる。ちょうど極端に倫理的だった19世紀のヴィクトリア朝時代にヒステリー(ノイローゼの一種)が増えて精神分析が登場したように、下手に西洋の倫理観に合わせれば日本の精神性は歪められる。日本はすでに源氏物語の時代からロリコン文化国家だったということが完全に忘れられている。

 結局は国家が単純所持の罰則規定によって国民の精神を脅かし、ぎすぎすした心理に追い立てることになる。罰則をちらつかせて国家が国民の性的嗜好に直接に介入するのは、国民の福祉に反する。それに当てはまる人は少数かもしれないが、個人的趣味に介入されることほど不快なことはない。

 
 

少量のポルノはむしろ犯罪抑制に


 

 児童ポルノの単純所持を禁止すると強姦などの性犯罪が増えるというのは、説得力がないようにみえるかもしれない。しかし、それしか性的快楽を得られない人にとっては、単純所持さえ違法化されて児童ポルノを捨てざるを得ないとなると、それは国家権力によって可愛い恋人を奪われたようなものなのである。その結果は、第一に、国家に対する恨みによって遵法精神が希薄になるということがありうる。第二に、性的満足を得るために、実際の子供に手を出す犯罪が起こるか、さもなくば性的満足が得られないためにイライラして別の暴力事件などを起こしたり精神が不安定になったりする。代理満足のために手元に児童ポルノを置いておかないと犯罪に走る人もごく少数であれ存在すると考えておいたほうがいいし、これだけネット上に氾濫するということは日本人にはその傾向の人が多いということであろう。

 アニメ等の二次元世界の児童ポルノに熱中している人でさえも、実在者の児童ポルノには関心がないという人が多い。それくらい他人の性的嗜好には共感できないのである。だから一般人には児童ポルノの所持禁止が犯罪につながるのは理解困難だろうとは思うが、感覚的な満足を断念させられることがいかにイライラさせられる出来事かということなら、誰にでもわかるだろう。たとえばあれこれと素敵なドレスを買い集めている女性が、あるときにその所持は違法だからすべて捨てるか罰金を払うかだと言われたら、それはひどく憤慨するだろう。この程度の例ならば一般の人々も奥さんや恋人の様子から想像して、好きなものを取り上げられた場合の問題点が理解できるはずである。さらに、問答無用で捨ててしまったらその後どういうことになるかを想像してもらいたい。児童ポルノは倫理的に悪いといくら理屈で説明したところで、マニアになれば絶対に納得しないだろうし、ちょうどドレスを勝手に捨てられた女性と同じように関係修復はほとんど不可能になる。

 ロリコンは少女のエロ画像でも自分でしこしこ描いていればいいと思う人も多いのだろうが、危ないのはむしろ、絵に描くことさえできないロリコンである。そういう人には他者が表現した画像が必要である。粗暴な男を性的な接待によって宥めるように、内なる暴力性もエロティックなイメージによって落ち着く場合がある。その過程では、暴力的なエロシーンも必要な場合がありうる。だから、フィクションである限り暴力的な性描写もある程度許容されるべきではないかと思う。これを否定するのは女性だけだという点は見逃せない。女性には男性内の性的イメージの変遷がわからない。むしろ女性は、暴行される女性のイメージと同一視するので大反対する。イメージと現実は明確に区別されるべきであり、現実の性暴力行為を禁止するのはむしろ性教育であったりDV禁止法であったりすべきなのである。

 

 すでに長大な記事になってしまったが、まだまだ議論が深まっていない。まじめに考えるだけでもポルノ論は奥が深いのである。私としても、たとえば現実のレイプ画像・映像などは徹底して取り締まるべきだとは思うが、いずれ水着でさえも児童ポルノだと認定されるようになれば、日本人の精神は微妙に歪んでくると思う。その点に関してはとてもこのブログ記事では展開できないが、いずれにせよそのように日本人の精神を歪めていくような改正法の制定は、やめていただきたいと思う。

 
 
 
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