※これは12月4日の夜に大幅に書き換えたものです。結論としては大きな変更はありませんが、細かい数値や推論過程がだいぶ変更されました。
↓ネット世論がどんなものか、ネット投票で確認。
《皇位継承あなたの意見は?》
〔シリーズ:皇位継承を考える〕
《
皇位継承を考える(1)万世一系の天皇と国家》
《
皇位継承を考える(2)男系維持の方策(その1)》
《
皇位継承を考える(3)男系維持の方策(その2)》
《
寛仁殿下は男系維持を希望 ~皇位継承を考える(4)~》
《
寛仁殿下の「事実」発言 ~皇位継承を考える(5)~》
《
宮内庁の皇室潰し ~皇位継承を考える(6)~》
《
紀宮清子内親王の結婚 ~皇位継承を考える(7)~》
《
新たな有識者会議での再検討を求めたい! ~皇位継承を考える(8)~》
《
首相の真意はどこに? ~皇位継承を考える(9)~
》
これ以降の記事は、右側のRECENT ENTRIESから御覧ください。
皇位継承問題でインターネット世論はどうなっているのか。私としては非常に気になっていたので投票サイトでアンケートをとってみた。
《
ネット投票:皇位継承あなたの意見は?
http://www.to-hyo.net/enquete/vote.cgi/id/757/》
〔2005年12月1日18時44分現在の結果〕
|
得票数 |
男系男子を堅持 |
439 |
女性天皇を容認するが男系維持 |
555 |
女系天皇も容認 |
34 |
天皇制廃止 |
36 |
2005年11月26日18時41分に作成。個人ブログではすぐに告知。しかし、広く告知したのは2005年11月29日午後なので、実質2日。投票総数が1000を越えたので、比率に関してはほぼ安定したと考えてよいだろう。
ネット投票を呼びかけたのは、2005年11月末の朝日新聞の全国世論調査に言及したブログ、人気blogランキングの国内ニュース部門および政治部門で上位25位以内に入っているブログのなかから、コメント欄があったもの(ただしメールアドレスの入力を要求されるブログは除いた)である。したがってアンケートの母集団は、皇位継承問題に強い関心を寄せている人々ということになろう。どうでもいい人は、このネット投票にほとんど参加していない。
マスコミは女性天皇と女系天皇の区別をせずにアンケートをとってきたので信用できない。女性天皇を容認するという場合、男系女子の天皇までしか許容しないのか、女系でも許容するのかを明確に区別しなければアンケートにはならない。そこで、
男系男子を堅持
女性天皇を容認するが男系維持
女系天皇(女帝の子が天皇になる)も容認
天皇制廃止
を選択肢としてたてた。
作成者に私の名前を入れなかったので、あのページをみた人にとっては中立的なものに見えるだろうが、人気blogランキングで高い順位にあるブログは保守系である割合が多い。したがって、呼びかけられている対象が保守層に偏っている可能性は十分にある。
だが、それにしても「女系天皇も容認する」という意見の人が極端に少ない。天皇制廃止と同じくらいの比率であり、閲覧しただけで投票しない人がいることを考えると、この項目に投票した人は“積極的に女系を認めていこうとする人々”であると推定される。正確には女系容認派というより女系推進派である。
いわゆる新聞の世論調査では女性・女系天皇容認が大多数であるが、それは「皇位継承なんかどうでもいい」「誰でも好きなように選べばいいんじゃない?」と思っている人がほとんどである、ということを示していると思われる。そのような「どうでもいい」派は、このサイトでは投票しないことになろう。この投票に現われた“女系容認派”は、世間迎合の消極的容認派が除かれた数字であると言える。
では、保守派への偏りを補正しながら各派の分布状況を推定してみる。
第一に、おもに保守系のブログにネット投票を呼びかけていると想像されるので、この投票サイトを閲覧した保守派(男系維持派)はほとんど投票したと思われる。したがって、このサイトに投票せずとも関係した人を総数とした場合に、この得票数以上に男系維持派はいないだろうと想定してよい。また、男系男子派と男系女子容認派の投票比率(1:1.26)はまずまず信頼できるだろう。
ちなみに、この比率は投票総数259人の時点では 1:1.76 であり、その差がどんどん縮まっている。その理由は不明だが、現時点では両者の勢力が逆転している(=男系男子堅持派のほうが多い)とは考えられない。
次に、男系男子堅持派の割合を想定してみる。朝日新聞の2005年11月の世論調査によれば、「男性に限ったほうがよい」が10%だそうだから、男系男子堅持派を10%と仮定する。すると、投票サイトを閲覧しながら投票しなかった傍観者を含めると全体が(439×100/10=)4390人くらいだったと推定される。すると、男系女子まで容認派は、(555/4390=)13%になる。
さて、呼びかけが保守派ブログに偏っていたとすると、女系容認派と天皇制廃止派はあまりこのサイトにアクセスしておらず、実際より少ない得票数になっているはずである。したがって、それを補正しなければならない。それには天皇制廃止を目標としている共産党の比例選得票率を利用するとよい。
〔2005衆院比例選の得票率〕
自民党 38.18%
民主党 31.02%
公明党 13.25%
共産党 7.25%
社民党 5.49%
その他 4.81%
共産党の得票率からみて最大で国民全体の7%程度が天皇制廃止を主張する可能性があると推定されるから、天皇制廃止派が(4390×0.07=)307人程度はいる可能性がある計算になる。しかし天皇制廃止の得票数は36人であり、約8.5倍に水増ししないと計算があわない。8.5倍の補正をしなければならないのはネット投票の信頼性が疑われるという主張もあろうが、少なくとも男系男子堅持派については朝日新聞の世論調査の数値をもとにパーセンテージを算定しているので大きな問題はあるまい。(朝日新聞の世論調査だから信用できないというツッコミは今はやめてくれ。(^^ゞ )むしろ、共産党支持者でも天皇制廃止の意見をもっていない人もいるだろうから、本当は4~5倍の補正でよいのだろうが、とりあえず多めに計算しておく。天皇制廃止が国民の7%を越えることはないと思われる。
女系容認派はおもに左翼であると思われるので、天皇制廃止派と同じくらい少なくこの投票サイトにアクセスしているだろう。そこで、女系容認派も8.5倍にしてみると290人(国民全体の7%)になる。これが社民党の得票率とほぼ同じというのがおもしろい。やや多いのは、他の党(民主党と公明党)でも女系を積極的に容認する人々がいると思われるからである。男女平等ゆえの女系容認をはっきりと主張する人々は、実質的にはその程度の割合だろうということである。
残りの63%は、じつは皇位継承は「どうでもいい」人なのである。したがって「どうでもいい」派は、このサイトでは投票行動としては現われていない。ここに投票しているのは、男系維持や女系推進や天皇制廃止などを積極的に主張したい人々である。グラフ上には現われていないが、「どうでもいいから投票しない」という人が、じつは2800人程度隠れているのである。そして、このように投票しない人は、世論調査などでは、「どうでもいいから、女系でもなんでもいいんじゃない?」と答えているのだと言えよう。ちなみに天皇制廃止派と女系容認派を最大見積りで計算したのだから、実際には両派はもっと少なく、「どうでもいい」派は63%よりもやや多くなる可能性がある。
以上を表にまとめると、以下のようになる。
|
得票数 |
推計 |
比率(%) |
総数 |
1064 |
4390 |
100 |
女性天皇を容認するが男系維持 |
555 |
555 |
13 |
男系男子を堅持 |
439 |
439 |
10 |
天皇制廃止 |
36 |
307 |
(最大見積り)7 |
女系天皇も容認 |
34 |
290 |
(最大見積り)7 |
無投票 |
|
2798 |
63 |
このサイトでは無投票者となっている「どうでもいい」派は、消極的に女系を許容する。したがって、女性・女系容認派は13+7+63=83%となり、さらに天皇制廃止派が女系容認派の仮面をかぶれば90%に達することになるのである。これで新聞の世論調査のからくりがはっきりしただろう。
国政選挙の投票率を考えると、ネット投票率で37%というのは非常に低い数字である。ネット投票のほうが簡単だし、関心の高い問題だからという意味で、ネット投票率をもっと高く考えることも可能だろう。そうした場合、ネット世論での男系維持派の比率は過半数に達するのではないかと思われる。
そこで男系男子堅持派を16%と仮定して同じ手法で表を作ってみると以下のようになる。
|
得票数 |
推計 |
比率(%) |
総数 |
1064 |
2743 |
100 |
女性天皇を容認するが男系維持 |
555 |
555 |
20 |
男系男子を堅持 |
439 |
439 |
16 |
天皇制廃止 |
36 |
192 |
(最大見積り)7 |
女系天皇も容認 |
34 |
181 |
(最大見積り)7 |
無投票 |
|
1376 |
50 |
もしこのネット投票率が63%だったとしたら、ネット世論での男系維持派が半数を占めている可能性がある。(男系男子堅持派22%として無投票率を再計算してみよ。) これはもちろん甘く見積もった数値である。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
〔参考〕エクセルで以下のように入力しておくと、得票数の部分の数値をその都度入れ換えれば自動的に再計算してくれるので便利である。C2の推計総数は、無投票者数の推計も加えたもの。なお、男系男子の推定%を10%から16%などに変えるには、C2の100/10の部分を100/16などに換える。C列はツールバーの .00→.0 アイコンを使って小数点以下をまるめ、D列は % アイコンでパーセントスタイルにすると見やすくなるだろう。
|
A |
B |
C |
D |
1 |
|
得票数 |
推計 |
比率(%) |
2 |
総数 |
=SUM(B3:B6) |
=B4*100/10 |
=SUM(D3:D7) |
3 |
女性天皇を容認するが男系維持 |
555 |
=B3 |
=C3/C2 |
4 |
男系男子を堅持 |
439 |
=B4 |
=C4/C2 |
5 |
天皇制廃止 |
36 |
=C2*0.07 |
=C5/C2 |
6 |
女系天皇も容認 |
34 |
=C5/B5*B6 |
=C6/C2 |
7 |
無投票 |
|
=C2-C3-C4-C5-C6 |
=C7/C2 |
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
自民党で約6割が女性・女系容認ということだが、これはもちろん女系天皇の政治的意味もわからずに消極的に容認しているのだろう。このネット投票では女系容認派は水増ししても7%なのだから、自民党内に女系天皇の積極推進派がいるとは思えない。そこで、男系男子維持派を10%と仮定してついでに政党別に勢力分布も予想してみたい。というのは、政党は国民世論をほぼ反映していると考えてもよいだろうからである。(下表参照)
天皇制廃止派7%は、そのまま共産党支持層であろうと思われる。
女系容認派(推進派)の7%は、おそらく社民党のほとんどと、民主党・公明党のごく一部にあたる。ここでは、4%を社民党に、2%を公明党に、1%を民主党に振り分けてみたい。
公明党も、実際には「どうでもいい」派が主流であろう。たまたまトップが女系容認(推進?)でいこうと主張しているにすぎないと思われる。公明党は女系容認の有識者会議答申をそのまま法案にすべきという立場だから、わずかの女系容認派(推進派)にほとんどの「どうでもいい」派が従っている形だろう。公明党の比例選得票率は13%だから、「どうでもいい」派は11%、女系容認派(推進派)は2%くらいとしておこう。
その他(国民新党と新党日本)は比例選得票率5%を占めているが、国民新党は保守なので、両党で男系維持派が2%、「どうでもいい」派が3%といったところだろう。
そうすると、残りの21%の男系維持派と48%の「どうでもいい」派が自民党と民主党に振り分けられることになる。民主党は鳩山氏が女系天皇に疑問を投げかけたが、その他の民主党議員はあまり関心がないようなので、男系維持派の1%分を、「どうでもいい」派の30%分を割り当てておく。
すると自民党内の「どうでもいい」派が残りの18%分に相当し、男系維持派が残りの20%分に相当する。このうち11%分が男系女子容認派とすれば、男系男子堅持派と女性・女系容認派の比率は9:29(2.4割:7.6割)となる。この計算で女性・女系容認派が6割をはるかに越えているのは、男系男子堅持派を国民全体の10%と低く見積もったからである。
|
男系維持派 |
どうでも
いい派 |
女系
容認派 |
天皇制
廃止派 |
自民党 |
20(9+11) |
18 |
0 |
0 |
民主党 |
1(0+1) |
30 |
1 |
0 |
公明党 |
0 |
11 |
2 |
0 |
社民党 |
0 |
1 |
4 |
0 |
共産党 |
0 |
0 |
0 |
7 |
その他 |
2(1+1) |
3 |
0 |
0 |
合計 |
26(10+13) |
64 |
7 |
7 |
(単位は%)
では、自民党内の男系男子堅持派が4割になるように国民世論を推定するとどうなるだろうか。男系男子堅持派を国民の16%と仮定すると、男系女子容認派は国民の20%になり、「どうでもいい」派が国民の50%になるが、これで下表の自民党セルだけの数値を入れ換えると「どうでもいい」派が5%となり、自民党内の女性・女系容認派が6割まで減少し、男系男子堅持派が約4割に達するのである。したがって、国民世論の16%程度は男系男子堅持派になっているのではないかと思われる。(下表参照)
|
男系維持派 |
どうでも
いい派 |
女系
容認派 |
天皇制
廃止派 |
自民党 |
33(14+19) |
5 |
0 |
0 |
民主党 |
1(0+1) |
30 |
1 |
0 |
公明党 |
0 |
11 |
2 |
0 |
社民党 |
0 |
1 |
4 |
0 |
共産党 |
0 |
0 |
0 |
7 |
その他 |
2(1+1) |
3 |
0 |
0 |
合計 |
36(16+20) |
50 |
7 |
7 |
(単位は%)
だが、こうやってみると自民党内の「どうでもいい」派はごく少数(1.3割)であり、ほとんどが男系女子までしか容認しない意見ではないかとも思われる。(民主党内に男系維持派がもっと多いとすればまた別だが。) ならば皇室典範改正は、せいぜいのところ男系女子まで容認の法律にしなければならない。女系容認の法律にしてしまえば、自民党の大部分が反対することになろう。したがって、皇位継承は直系でいくという有識者会議の報告をそのまま法案として国会にあげてくれば、現在の状況でも男系維持派からかなりの抵抗があると思われる。しかも、これから国民運動が盛り上がれば、ますます女系容認派は減少してくる。
以上は推論に推論を重ねたものだが、各政党の意見比率が正しいとして男系男子堅持派16%を最適値と仮定すると、朝日新聞の世論調査の10%を下限として、上限は+6%の22%になろう。これは男系維持派が世論の約半数になる値である。

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〔皇位継承に関するブログ記事リンク集〕
《目次 ブログ散策:天皇制の危機( p(^o^) 和の空間)》
ブログをもっている人は、ぜひ女系天皇反対をアピールしましょう。一人でも多くの人の目に触れて国民の注意を喚起することが大切です。

できるだけ首相官邸や内閣官房などに抗議をしていただければと思います。「旧宮家の皇籍復帰のほうを望みます」の一言だけでも結構です。一人でも多くの方々に抗議が必要です。法案ができあがるまでにできるだけ抗議して、それが国民の支持を得られない法律になることを知らせるべきでしょう。また、さまざまなブログで少しでもこの話題を取り上げていただけると、国民的な議論が巻き起こるので大いに助かります。
首相官邸への意見メール
内閣官房ホームページ ご意見・ご要望
自民党に男系維持の法案を作るようにお願いするのもいいかも。
自民党への意見メール
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